皮膚科とは

皮膚科

当院では、日本皮膚科学会が認定する皮膚科専門医が在籍しています。皮膚は、人体最大の器官でもあり、その面積は成人では約1.6m²にもなります。その役割としては、病原体(細菌、ウイルス 等)や紫外線などから身を守る、日光照射によってビタミンDを生成する、暑い場合は汗腺から汗が出るなどして体温を下げる、寒い場合は立毛筋が収縮して毛穴を塞いで体内の熱を逃さないといった、体温調節機能などがあります。

このように皮膚は人体を守る機能が備わっているのですが、いろいろな症状や病気が起きやすい部位でもあります。湿疹やかぶれがみられる、かゆみや痛みがある、虫に刺された、やけどをした、ニキビ、たこ・うおのめ、いぼ、じんましんのほか、髪の毛や爪も皮膚の一部ですので対象となります。

湿疹・接触性皮膚炎(かぶれ)、水虫(足白癬)、とびひ、いぼ、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症、ほくろ、皮膚腫瘍(粉瘤、脂漏性角化症 など)、蕁麻疹 など

診察の流れについて

まずは問診をはじめ、視診や触診を行います。診断をつけるのに必要と医師が判断すれば検査も実施します。具体的には、理学検査(硝子圧法、皮膚描記法 等)、アレルギー検査、ダーモスコピー、画像検査(超音波検査、CT・MRI 等)、光線過敏性試験、KOH法、血液検査などを行います。治療が必要であれば、薬物療法(外用薬、経口薬、注射薬 等)、手術療法、光線療法、レーザー療法などが選択されます。

湿疹

皮膚の炎症によって、肌にかゆみや赤み、ブツブツや小水疱などの症状がみられます。原因としては、外的因子(薬剤、金属、植物、ハウスダスト 等)と内的因子(アトピー体質、皮膚バリア機能低下、ストレス 等)があるとされ、これらが組み合わさるなどして発症するとされています。

治療について

治療に関してですが、原因が判明していれば除去する環境を整えます。皮膚症状については、ステロイドの外用薬を使用します。また、かゆみが強ければ抗ヒスタミン薬の内服薬を使用します。

アトピー性皮膚炎

乳幼児に好発しやすい皮膚疾患で、かゆみを伴う湿疹が体中でみられるようになります。皮膚は、赤みやブツブツがみられるほか、ジュクジュクしている、乾燥してカサカサになるなどしています。かゆみに耐えきれず掻き壊すと症状が悪化します。

生後2ヵ月頃から発症し、乳児の頃は顔面や頭部、手足の屈曲部にじくじくした湿疹がみられます。1歳を過ぎる頃には、首回りや手足の屈曲部にカサカサ乾燥した湿疹が現れるようになります。この状態が良くなったり、悪くなったりを繰り返します。なお成長していくにしたがって治癒する皮膚疾患とされていましたが、成人になっても症状が続く患者様も少なくないです。

発症の原因は特定されていませんが、アレルギー疾患を発症しやすい体質であること、家族でアレルギー疾患に罹患されている方がいると発症しやすいと言われています。

治療について

完治させる方法はないので対症療法になります。皮膚症状を抑える治療としては、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を使用します。また強いかゆみをなんとかしたい場合は、抗ヒスタミン薬の内服薬を用います。このほか、スキンケアを怠らずに保湿剤を用いるようにします。

ニキビ

顔面や胸あるいは背中の部位において、毛穴や皮脂腺が詰まるなどして、細菌が増殖して炎症が引き起こされている状態がニキビです。正式な疾患名は、尋常性ざ瘡です。

思春期になると男性ホルモンの一種であるアンドロゲン(女性も分泌されます)の分泌量が多くなります。これが皮脂を過剰に分泌させ、さらに表皮の常在菌と作用することで毛穴の中で面皰が形成されます。これによって細菌は繁殖していき、やがて炎症を引き起こすようになります。また成人期においても不摂生な生活習慣の乱れなどによって発症することがあります。

主な症状ですが、炎症が起きるようになると、赤くなって盛り上がる(丘疹)、膿のかたまり(膿疱)、皮下に膿が溜まる(のう腫)、結節(しこり)などが現れるようになります。またニキビが何度も同じ場所にできる、症状を悪化させるなどするとニキビ痕になってしまうこともあります。

治療について

炎症がみられている皮膚症状については、抗菌薬の外用薬を使用します。症状が悪化している場合は、抗菌薬の内服薬を使用します。またスキンケアとして、1日2回程度洗顔をする(洗い過ぎない)、規則正しい生活を送るなどしていきます。

タコ

物理的な刺激を慢性的に受け続けることで、皮膚の角質が増殖していき、一部の皮膚表面が厚く固くなっている状態がタコです。医学用語では胼胝と呼ばれます。

発症の原因としては、歩行にクセがある、サイズが合わない靴を履き続ける、正座をし続けることによるもの(座りだこ)、鉛筆などで字を書く際に指(人差し指、中指)が圧を受け続けることで発生するぺんだこなどがあります。痛みのような自覚症状はなく、足にできると靴の中に異物が入っている感覚を受けることもあります。

治療について

治療に関しては、肥厚化している角質層を除去するという内容になります。また慢性的な刺激を回避するための環境づくりや対策も必要です。

除去につきましては、CO2レーザーで取り除くこともできます。また、たこの部分にサリチル酸を塗布して、肥厚化した部分を軟らかくしてから除去するという方法もあります。

魚の目

たこと同じく、物理的な刺激が繰り返されることで、角質層が肥厚化していきます。ただ魚の目の場合は、皮膚表面ではなく真皮の方向に向かって、角質層が肥厚化していきます。その際に核(芯)が形成されていきますが、その見た目が魚眼や鶏の目に似ていることから、魚の目、あるいは鶏眼と呼ばれるようになりました。

魚の目は、サイズや足幅の合わない靴を履き続ける、姿勢が悪いことで歩行時の際、足の一部分に負担をかけているなどして発症するようになります。また、肥厚化した角質層がどんどん食い込んでいく形になります。これが神経に触れ、刺激されるようになると強い痛みがみられるようになります。

治療について

まず原因となる慢性的な刺激を受けないための対策が必要です。具体的には、サイズに合う靴を履く、歩行時の姿勢に気をつける等、再発防止の取り組みなどです。

治療は魚の目の除去になります。この場合、サリチル酸を含む外用薬を塗布し、軟らかくしてから処置する方法があります。また分厚くなっている部分をメスなどで削り取る場合もあります。

イボ

一般的にはイボと呼ばれますが、正式名称は尋常性疣贅です。小児によくみられるのも特徴です。発症に関してですが、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷口などから侵入し、粘膜あるいは皮膚の細胞に感染することで、主に手や足の指などに小さく盛り上がった表面がザラザラしたできもの(数㎜~1cm程度)が見受けられるようになります。単発なケースもあれば、多発することもあります。なお足の裏に発生する場合は、平べったい状態になっています(足底疣贅)。

主な症状ですが、見た目以外では、痛みやかゆみなどの自覚症状がみられることはありません。ただ放置を続くけることで、別の部位に感染してイボが増えることもあります。

治療について

治療は、イボの除去になります。多くは、液体窒素を含ませた綿棒を使って、それをイボに当てて凍結させることで壊死させる凍結療法が行われます。この場合、治療中や治療後に痛みが出るほか、週1~隔週に1回の間隔で数ヵ月程度の通院が必要となります。

上記以外では、ヨクイニンの内服、炭酸ガスレーザーを照射して切除する治療法もあります。

蕁麻疹(じんましん)

何の前触れもなく、突然的に境界がはっきりした円形など盛り上がった紅斑がみられ、かゆみなどの症状もみられます。ただ発症してから数時間~24時間が経過すると、何事もなかったように皮膚症状などが消えていきます。原因に関しては、食物や薬剤等によるアレルギー、物理的な刺激によるものなど特定できるケースもありますが、蕁麻疹患者様の約7割の方は原因が特定できない特発性蕁麻疹です。

治療について

原因が判明しているのであれば、それ(アレルゲン 等)を避ける環境づくりを整えます。必要な場合は、原因を特定させる検査(血液検査、プリックテスト 等)を行うこともあります。皮膚症状がある場合は、抗ヒスタミン薬の内服薬を用いることがあります。

水虫

足の部分に白癬菌(カビの一種)が感染し、発症した状態を一般的には水虫と言います(正式には足白癬)。感染経路としては、足ふきマットやサンダルを共有するなどして感染するようになります。ちなみに白癬菌が感染するまでは24時間程度かかりますが、傷があればその半分の時間で感染するようになります。

なお水虫は、大きく3つのタイプに分かれます。ひとつは、足の指の間に発症し、ジュクジュクするなどしてかゆみも伴う趾間型です。2つ目は、土踏まずや足側縁、足趾基部に小さい水疱や膿疱がかゆみと共に発生し、やがてカサカサになる小水疱型になります。最後は、踵を中心に足底の角質層が肥厚化していく角化型(痛みやかゆみ等の自覚症状はほぼない)です。これら足白癬をきっかけとして、足の指の爪にも白癬菌が感染することもあります。これは爪白癬と呼ばれます。

治療について

皮膚症状に対する治療としては、抗真菌薬の外用薬を使用します。角化型では、薬剤が浸透しにくいので、抗真菌薬の内服薬が用いられます。また予防対策として、足を常に清潔に保つようにすることも大切です。

かぶれ

アレルギーとなる原因物質(アレルゲン)や刺激物などに触れることで起きる皮膚の炎症を一般的にはかぶれと言いますが、正式には接触皮膚炎です。

原因物質としては、植物(ウルシ、サクラソウ 等)、食物(マンゴー 等)、金属に含まれる成分(ニッケル、クロム、コバルト 等)、ゴム製品、薬剤などが挙げられます。

主な症状ですが、触れた皮膚の部分が赤くなって盛り上がる、ブツブツした水疱がみられるようになるほか、かゆみなどの症状が現れるようになります。

治療について

かぶれが起きる原因が特定している場合は、それを除去する環境づくりに努めます。皮膚症状に関する治療としては、ステロイド系の外用薬を使用します。また、かゆみについては抗ヒスタミン薬が使われます。

帯状疱疹

水ぼうそうに罹患したことがある方が発症する病気です。同疾患の原因である、水痘・帯状疱疹ウイルスは、症状が治まっても体外に排出されることはなく、神経節に潜伏し続けています。その後、過労や加齢等によって体の免疫力が低下すると体内に潜伏しているウイルスが活性化して、様々な症状を引き起こします。これが帯状疱疹です。

主な症状ですが、神経領域に沿ってピリピリした痛みや感覚障害が起きるようになります。その後、痛み等が現れた部分の皮膚に赤み、水ぶくれ(水疱)、膿疱がみられ、やがてかさぶた(痂疲)が形成されます。それが剥がれ落ちると治癒となります。期間としては3週間程度です。なお皮膚症状が治まっても、チクチクした神経系の痛みが続くことがあります。これが3ヵ月続くと帯状疱疹後神経痛と診断され、痛みを抑えるための治療が必要となります。

治療について

治療の中心は、抗ヘルペスウイルス薬になります。また痛みを抑えたい場合は、アセトアミノフェンやNSAIDs等の薬物療法を行っていきます。

なお帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の発症リスクを低減させるための予防策として、帯状疱疹ワクチンの接種をすることもできます。ちなみに同ワクチンは、これまでは50歳以上に限定されていましたが、帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方につきましても対象となっています。

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脂漏性湿疹

乳児と思春期から40代の男性に発症しやすいとされ、脂漏性皮膚炎とも呼ばれます。皮脂の分泌が過剰となり、皮膚の常在菌であるマラセチアも関係するなどして、炎症などが起きるのではないかと言われています。

乳児では、生後2~4週間後におでこや頭部に黄色っぽいかさぶたがみられます。やがてそれらは、ポロポロと剥がれるようになります。これといった治療をしなくても、1歳になる頃には自然と治癒するようになります。

成人期にみられる脂漏性湿疹(思春期以降で40代くらいまでの男性に起きやすい)は、頭皮や顔面のほか、胸部、腋の下、背中などでみられます。頭皮などからフケのようなものが慢性的にパラパラと落ちるようになります。また鼻や頬の部分からは、赤い発疹がポツポツとみられるようになります。これらは慢性的に経過、あるいは良くなったり悪くなったりを繰り返します。

治療について

乳児の場合は、自然と治癒するようになるので、これといった治療は必要ありません。そのため、黄色っぽいかさぶたは無理に剥がそうとしないでください。なお皮膚症状が強く出ているのであれば、ステロイド(弱め)の外用薬を使用することがあります。

思春期以降にみられるのであれば、まずは石鹸やシャンプーを使用して常に清潔にしておきます。皮膚に何らかの症状があれば、ステロイド外用薬が用いられることもあります。また皮膚の常在菌であるマラセチア属真菌が関係しているのであれば、抗真菌薬の外用薬が使われます。

円形脱毛症

何の前触れもなく、多くは円形の脱毛斑の形をした抜け毛がみられるようになります。その数については、単発なこともあれば、多発することもあります。また脱毛斑が増えて、頭髪がほとんど抜ける、体毛も含めて全身の毛が抜けることもあります。原因に関しては、自己免疫反応の影響ではないかと言われているほか、ストレスの関与がきっかけになるとも考えられていますが、それらと関係なく発症してしまうこともあります。

治療について

脱毛斑の範囲が狭い場合は、治療をせずとも数ヵ月で治まることが多いとされています。脱毛斑の範囲が広い、数がいくつかあるとなれば、ステロイドあるいはカルプロニウム塩化物の外用薬を使用します。脱毛が頭部全体に広がっている場合は、ステロイドパルス(点滴療法)やステロイド内服薬(重症の場合)等が使われるようになります。